「ブータン――「幸福な国」の不都合な真実」根本 かおる 著 | Kousyoublog: この本が突きつけているのは、著者が書いている通り『「国を統治する側」と「その国で生きるマイノリティー」の立場』(P194)とで『国の安全保障の面から見るか、人の権利、特にマイノリティーの権利の観点から見るか』(P194)によって全く判断基準が変わる国家と人権の衝突の問題だ。あらゆる人権は断固として守られなければならない。そのためにこそ国際社会は発展してきた。その一方で、理想無き国際政治の舞台では、主に小国がその二つの間で文字通り存亡をかけて究極の選択をなさなければならない状況にまで追い込まれてしまう。その結果、弱い人々がしわ寄せを受けて過酷な運命を余儀なくされる。
光の影には闇が有る。闇がなければ光もない。国際社会から見たら、ブータンもまたマイノリティ。大国である国民社会が、マイノリティに対する感性を高めなければ、その集合体である国もまた同じ事を他国にする。ローマは一日にして成らずである。
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