■その一
私心で怒るな
・デザイナーの話
・デザイナーの話
車のデザインをしていた担当者が、ある日電話で宗一郎に鈴鹿まで呼びつけられる。何事かと急いで駆け付けると、本田宗一郎の第一声は、
「君は人を殺す気か」と叱られる。
デザインにより、ハンダ付けの削りかすが多く出ることで、工員の健康被害になることを心配してのことだった。そこで、自分の仕事が、人の命に関わる責任ある仕事だと教えられたと。その後、ゴムを挟むやり方でハンダ付けの仕事は減り、かえってその解決方法は他社が真似するほどだった。
・確率の話
一万分の一の確率で起こる不具合に懸命になる宗一郎に対し、そこまで必死になるほどの確率ではという社員に、
「そのお客様にとっては100パーセントだ」と怒鳴る。
私心でない気持ちでの叱りであることと、叱られることで奮起して、より高いレベルへといけることがあり、人は彼をオヤジと呼んだ。
■その2
人の心に棲む
人の心に棲むことによって人もこう思うだろう
そうすればこういうものを作れば喜んでくれる
全て人間が優先している
喜びの経営を標榜していた。
・休日出勤の話
秘書が、土曜の仕事を本田宗一郎にお願いしに行った。宗一郎はやることもあるし、忙しいからと断る。しかし奥さんが実は、本田は土曜は暇しているが、自分が仕事を受けてしまえば、君たちが休めなくなるから断るのだと教えられた。
・心の修理話
・心の修理話
19歳のころの本田宗一郎。修理工場時代での話。壊れて修理を頼んでくる人は、その時点で心も壊れているんだと。その心までも修理しないといけないと語っていたという。
・絵の話
絵が上手であった宗一郎。彼は渋柿の絵を書いた。その理由は、渋柿も美味しく生まれたかった牢に、かわいそうというものであった。
■その3
素直に負けを認めろ
・エンジニアの話
ある仕組みで宗一郎は自分のアイデアを得意げに話していた。社員がもっといいアイデアがあるのをおもいつき、それを伝えると。
「お前は天才だな、おれのはだめだ」とすぐに素直に認めた。
「お前は天才だな、おれのはだめだ」とすぐに素直に認めた。
・引退秘話
アメリカで排ガス規制が行われることになり、それはどのメーカーでも実現不可能といわれていた。その時宗一郎は、
「どのメーカーとも対等に競争できるチャンスである」と発言した。
しかし、若手のエンジニアは、競争のためにやるんではない。社会のためになるからこそやるんだと憤りを感じ、宗一郎の側近に愚痴った。
アメリカで排ガス規制が行われることになり、それはどのメーカーでも実現不可能といわれていた。その時宗一郎は、
「どのメーカーとも対等に競争できるチャンスである」と発言した。
しかし、若手のエンジニアは、競争のためにやるんではない。社会のためになるからこそやるんだと憤りを感じ、宗一郎の側近に愚痴った。
それから彼はそうした発言を一切しなくなり、排ガス規制に適応したエンジンを本田が初めて出した翌年に社長を引退した。
その時、
「排ガス規制の件で若手に教えられた。社会のためではなく、いつの間にか会社本位になっている自分に気が付いた」と。
潔く退任した。
引き際の良さが更に本田宗一郎の名声を高めた。
引き際の良さが更に本田宗一郎の名声を高めた。
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