2014年4月29日火曜日

NHKスペシャル「調査報告 女性達の貧困~”新たな連鎖”の衝撃~」

NHKで「女性たちの貧困」について視ました。その後、ネット上での意見も読み、衝撃的だった方が多い一方で、番組に対する不満もありました。印象に残ったのは二つあり、最後に紹介します。

日本人的心情で、自分で何とかしなければならないという自己責任論は私たちの中に根強くあるように感じます。見えない絆や心によって解決できないかと情緒に訴えるのが好きな気質だと思います。しかしながら、その気質が竹やり根性論を生んでしまうこともまた事実なのです。

しかし、論理だけでは納得できないと感じてしまうことでしょう。問題を解決できないのは、問題がわかっていないからだという諺もあります。貧困は社会の構造的な問題ゆえに、 個人の努力や根性で解決できるレベルではありません。本当の問題は何でしょうか?

日本は戦略的な思考が苦手なようであります。声の大きいものに引きずられて、うやむやにどさくさに、対処療法的に物事が進んでいきます。今の自己責任論は、今後ますます、二極化を生み、貧富の差をより拡大していき、分裂状態になることでしょう。

日本全体を変えようとするのは大変です。まして、日々自分の生活で精一杯なのが私たちであります。どうしたらよいか?問題意識を持ち、下記のようなブログなどに触れ自分なりに勉強し続け、論理と情緒のバランスを探ることが理想と感じています。

しかしながら、それは難しいのも感じています。結局、縁がある人々に対して何ができるかをするしかないと思っています。


NHKはなぜ生活保護のことを伝えないのか~NHKスペシャル「女性たちの貧困」を視て

 母子家庭であれば、児童扶養手当や児童手当の支給も受けているかもしれない。
しかし、たいていの家庭が、生活保護を利用できる所得以下であるように思える。

NHKは、なぜそういうことを伝えないのだろうか。
どういう事情で生活保護を利用していないのかはわからない。
しかし、もし、最低生活費以下で生活しているのなら、本来は生活保護を利用できるはずだ、生活保護の利用に至ることなく貧困に陥っていると、少なくとも、そこまで放送しなければならないんじゃないのか。

しかし、そういうことは一切触れられなかった。
この番組では、行政の責任についての視点がが完全に抜け落ちている。

ネットカフェで2年半暮らす母親姉妹にチャンスと詰寄るNHKスペシャル女性たちの貧困のパラドクス

実は日本は、「本当に困っている人」だけを助けるための福祉に対して、国民の抵抗や運動が起きなかった国なのです。明治からずっと、そういうものでいいと 思ってきた歴史があります。それがなぜいけないかというと、「本当に困っている人」だけが助けられるということは、そういう人たちは「国家公認の貧困者」 になるということを意味します。そうすると、普通に生活して自分の尊厳を守りたいと思っている人は、「国家公認の貧困者」というレッテルを貼られるのだけ は嫌だということになる。それだけは避けたいと思うようになるのですね。そうすると、「本当に困っている人」を助けるための福祉は、「本当に困っている 人」が受けられなくなってしまうということです。
これを「福祉のパラドクス」と呼んでいます

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