町奉行として、江戸の町を住みよくしようと心掛けた大岡越前守のお話。
彼の実績でもないものが、彼の手柄となっているという話が印象に残っています。後でライバルが手掛けたものでさえ、自分の手柄になって伝わってしまう世の中の面白さ。
その逆もまた然り。評価を求めることを第一にしない方がいいですね。
■アリの一穴から
出来ることから手掛けると、そこがきっかけとなり、呼び水となる。やがて広がっていく。
目の前の一歩から実現させていく。一つのモデルと作るということですね。
■相手を尊重する
説得したい相手を尊重する。そのためには、常に意見などを伺い相談したりする。すると相手の考えもわかってくる。
手っ取り早い方法を取らず、結果よりも過程を大事にする。それが尊重するということ。
2014年11月24日月曜日
2014年11月23日日曜日
こころの時代~宗教・人生~「第二の誕生」 - NHK
沖縄の小児科医の方のお話。まなざし仏教塾というものをやられておられます。
■まなざし仏教塾
番組で語っておられたことは、琉球新報で連載されておられたコラムに書かれています。
簡潔に私なりにまとめると、自分の世界で苦しんでいたが、それは大きな勘違いで生かされていることに気が付いて救われた。
書いてしまえば簡単ですが、そこに至るまでは簡単ではありません。
頭でわかっても心がわからない。
真摯に人生と向き合ってこられた方の雰囲気を感じました。
■まなざし仏教塾
番組で語っておられたことは、琉球新報で連載されておられたコラムに書かれています。
簡潔に私なりにまとめると、自分の世界で苦しんでいたが、それは大きな勘違いで生かされていることに気が付いて救われた。
書いてしまえば簡単ですが、そこに至るまでは簡単ではありません。
頭でわかっても心がわからない。
真摯に人生と向き合ってこられた方の雰囲気を感じました。
2014年11月4日火曜日
先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)▽人脈力~西行 派閥を超えたネットワーク - NHK
北面の武士というエリート出身だった西行。
和歌の達人としてのイメージしかなかったけど、そのエリート武士出身者ということが、のちに源頼朝との対面に役立つとは、人生よくできていますね。
弱者に寄り添うことで、僧としての信頼を得たとありました。しかし、元々使えていたことの方が大きいのではないでしょうか。
ビジネス向けに人脈力などとしていますが、和歌というものを洗練させて影響を与えたわけですから専門力で扱ってもいいのではないでしょうか。
和歌としての名声がなければ、すべて繋がらないのではないかと感じます。
和歌という武器があってこその繋がりではないでしょうか。
和歌の達人としてのイメージしかなかったけど、そのエリート武士出身者ということが、のちに源頼朝との対面に役立つとは、人生よくできていますね。
弱者に寄り添うことで、僧としての信頼を得たとありました。しかし、元々使えていたことの方が大きいのではないでしょうか。
ビジネス向けに人脈力などとしていますが、和歌というものを洗練させて影響を与えたわけですから専門力で扱ってもいいのではないでしょうか。
和歌としての名声がなければ、すべて繋がらないのではないかと感じます。
和歌という武器があってこその繋がりではないでしょうか。
2014年11月2日日曜日
こころの時代~宗教・人生~ アンコール「末法の世を生きる」 - NHK
こころの時代~宗教・人生~ アンコール「末法の世を生きる」 - NHK
「自はおのずからという
行者のはからいにあらず」
「然(ねん)というは
しからしむということば」
しぜんと呼ばずにじねんと呼んだ親鸞。
他力の力を今こそ現代人は認識すべきではないでしょうか。
お任せに生きる。天の節理は人を導いてくれると感じます。
「弥陀仏は自然のようを
しらせんりょうなり」
「自はおのずからという
行者のはからいにあらず」
「然(ねん)というは
しからしむということば」
しぜんと呼ばずにじねんと呼んだ親鸞。
他力の力を今こそ現代人は認識すべきではないでしょうか。
お任せに生きる。天の節理は人を導いてくれると感じます。
「弥陀仏は自然のようを
しらせんりょうなり」
無上(この上なく優れた)仏というのは、姿形がおありではありません。姿形がおありではないから、“自然(じねん)”というのです。 姿形がおありである場合は、無上涅槃(この上ない完全な覚り)とはいいません。姿形もない、凡夫の思慮分別を超越したさまを知らせようとして、初めて阿弥陀仏と申し上げるのだ…と、聞きならっております。 阿弥陀仏というのは、“自然”のありようを知らせるための“手立て(方便)”なのです。 この道理を納得できたならば、 この、“自然”のことについてあれこれと論議して詮索すべきではないのです…。
2014年10月30日木曜日
知られざるモザイク国家 ラオス 未来世紀ジパング ~沸騰現場の経済学~|テレビ東京
内陸部に位置するために、多くの国に囲まれているラオス。周辺諸国の影響を受けながらも、開発からは取り残されてきた。
ここも、あと数十年で自然が破壊されていきそうだと感じた内容だった。
水力発電のダムを日本人が最初に作って絆と言っていたが、それも大分昔の話で、今現在の話ではない。
水力発電はエコなどと夏野さんは語っておられたが、そうですか??
ダムの悪影響については言及なし。
それより、アメリカが落とした爆弾の不発弾処理がまだまだ進んでいないことを、アメリカがどう考えているのか知りたい。カンボジアの地雷も悲惨だが、不発弾も悲惨だ。沖縄だって不発弾が未だに処理している。
ラオスは新しい経済モデルと語っておられた。これから、資源があるので有望ですよということだが、開発型経済であれば、新しいモデルではない。何をもって、ラオスは新しいモデルと言っているのだろう?
他の番組でも見かけたことがある、ミドリ十字の工場長が出ていたが、ラオスに日本人的考えを植え付けることばかり一生懸命のようだ。予告編で、
「日本人はミャンマー人を見下しています」と出ていたのがシンクロしてると感じましたね。
ラオスから学ぶことが逆にあるのではないでしょうか。
2014年10月25日土曜日
NHKスペシャル|カラーでよみがえる東京 ~不死鳥都市の100年~
NHKスペシャル|カラーでよみがえる東京 ~不死鳥都市の100年~
関東大震災前の東京は綺麗だった。
日本橋の付近も、高速道路が通りだしてから美しくなくなった。
戦後の復興は美意識にかける。
印象的だったのは軍神広瀬と称えられた銅像までもが戦犯銅像になったことだ。そのまま残しておくべきだったろうに。
誰かのせいにして、それが悪いという風潮はいただけない。消し去ることで、教訓も消し去ることになる。
学徒出陣と東京オリンピックの開会式が同じ会場で、その対比には考えさせられる。その期間がわずか20年しかないことにも驚きだ。
20世紀初頭から激動の変化を短期間に遂げてきた東京。その貴重なフィルムを見ると、いい笑顔をしている人々がいた。いつの時代にも笑顔を忘れずにいたいものだ。
関東大震災前の東京は綺麗だった。
日本橋の付近も、高速道路が通りだしてから美しくなくなった。
戦後の復興は美意識にかける。
印象的だったのは軍神広瀬と称えられた銅像までもが戦犯銅像になったことだ。そのまま残しておくべきだったろうに。
誰かのせいにして、それが悪いという風潮はいただけない。消し去ることで、教訓も消し去ることになる。
学徒出陣と東京オリンピックの開会式が同じ会場で、その対比には考えさせられる。その期間がわずか20年しかないことにも驚きだ。
20世紀初頭から激動の変化を短期間に遂げてきた東京。その貴重なフィルムを見ると、いい笑顔をしている人々がいた。いつの時代にも笑顔を忘れずにいたいものだ。
2014年10月24日金曜日
いま世界一沸騰する国「アゼルバイジャン」 未来世紀ジパング ~沸騰現場の経済学~|テレビ東京
いま世界一沸騰する国「アゼルバイジャン」|テレビ東京
またまた資源バブルの国。お金を持つと、すぐに世界一のタワーを作ろうとしたり、人工島を作ろうとしたり、同じ方向に行くのがつまらない。
バベルの塔になりそうな予感。難民の国民がいて、その人々に眼鏡を提供している日本人が紹介されていたが、その活動を富豪はサポートしたりしないのだろうか?
資源があるからユーロの取り込もうという、功利的な姿勢も見え隠れしていて、世界はいまだに人格よりも経済が優先される。
日本の役割はなんであろうか?
またまた資源バブルの国。お金を持つと、すぐに世界一のタワーを作ろうとしたり、人工島を作ろうとしたり、同じ方向に行くのがつまらない。
バベルの塔になりそうな予感。難民の国民がいて、その人々に眼鏡を提供している日本人が紹介されていたが、その活動を富豪はサポートしたりしないのだろうか?
資源があるからユーロの取り込もうという、功利的な姿勢も見え隠れしていて、世界はいまだに人格よりも経済が優先される。
日本の役割はなんであろうか?
2014年10月23日木曜日
NHKスペシャル|ドキュメント"武器輸出"防衛装備移転の現場から
NHKスペシャル|ドキュメント"武器輸出"防衛装備移転の現場から
何が言いたいのかよくわからない仕上がり。
「悩ましいよねぇ」ということを言いたいのかな。
日本にとって、結構大きな方向転換ですが、反対の意見はあまり出てこなくて、感情的な話だけでしたね。
詳しいことはこの記事がいいでしょう。
叙情的かつ情緒的なNHKスペシャル「ドキュメント"武器輸出"防衛装備移転の現場から」
「デュアルユースであればまずその代表選手、ソニーを取材すべきでしょう。」
「 輸出が悪いというのであれば、このような現状を是とすることになります。また輸出はダメだけど輸入はOKなのでしょうか。「外国の死の商人」を肥え太らせることは是なのか、と。
まあ、例えば悪いですが「売春」で売るのは悪くて、買うのは良いのか、と。」
何が言いたいのかよくわからない仕上がり。
「悩ましいよねぇ」ということを言いたいのかな。
日本にとって、結構大きな方向転換ですが、反対の意見はあまり出てこなくて、感情的な話だけでしたね。
詳しいことはこの記事がいいでしょう。
叙情的かつ情緒的なNHKスペシャル「ドキュメント"武器輸出"防衛装備移転の現場から」
「デュアルユースであればまずその代表選手、ソニーを取材すべきでしょう。」
「 輸出が悪いというのであれば、このような現状を是とすることになります。また輸出はダメだけど輸入はOKなのでしょうか。「外国の死の商人」を肥え太らせることは是なのか、と。
まあ、例えば悪いですが「売春」で売るのは悪くて、買うのは良いのか、と。」
2014年10月12日日曜日
「謎の"新"資源大国」~第1弾 謎の国・トルクメニスタン~|テレビ東京
「謎の"新"資源大国」~第1弾 謎の国・トルクメニスタン~|テレビ東京
イランの上に位置するトルクメニスタン。中央アジアの北朝鮮と呼ばれる独裁国家。これからの時代、逆にこのような意思決定が速い国の方が栄えていくかもしれない。
ロシア、中東もそうだが、資源国は独裁が多い。そしてこれからも資源の重要性は高まることはあっても減る要素は少ない。
余程の革命的技術が発明されない限り、今後も優位な状況は続くだろう。
町中が白い大理石の白い都市は壮観だ。観光客を呼び寄せる資源となるだろう。のちの時代にまで残るものを作り資産をするのは価値あることだ。
ノイシュヴァンシュタイン城も王の個人的な空想から作られた。国家財政破たんの懸念を巻き起こし、王の謎の死をもって建設は終わりを告げた。が、その城はディズニーランドのシンデレラ城のモデルともなり、世界中から観光客を呼び寄せている。長期的に見れば価値はあった。
豊富な資源を使って、どんな世界を作り出すのか楽しみにしている。
イランの上に位置するトルクメニスタン。中央アジアの北朝鮮と呼ばれる独裁国家。これからの時代、逆にこのような意思決定が速い国の方が栄えていくかもしれない。
ロシア、中東もそうだが、資源国は独裁が多い。そしてこれからも資源の重要性は高まることはあっても減る要素は少ない。
余程の革命的技術が発明されない限り、今後も優位な状況は続くだろう。
町中が白い大理石の白い都市は壮観だ。観光客を呼び寄せる資源となるだろう。のちの時代にまで残るものを作り資産をするのは価値あることだ。
ノイシュヴァンシュタイン城も王の個人的な空想から作られた。国家財政破たんの懸念を巻き起こし、王の謎の死をもって建設は終わりを告げた。が、その城はディズニーランドのシンデレラ城のモデルともなり、世界中から観光客を呼び寄せている。長期的に見れば価値はあった。
豊富な資源を使って、どんな世界を作り出すのか楽しみにしている。
2014年10月11日土曜日
NHK|ニッポン戦後サブカルチャー史
NHK|ニッポン戦後サブカルチャー史
サブカルチャーとは逸脱であると宮沢氏はいう。カウンターカルチャー、対抗ではなく、逸脱。
逸脱がいつしかメインストリームになり、そしてまた逸脱が生まれて、次の流れが生まれてくる。
新宿から原宿へ、そして渋谷、秋葉原。次は町ではなく、電脳空間のようなどこでもない、どこでもある場所から生まれるのか。
いまや、逸脱しようにも、そもそも逸脱する本流がなくなっている時代。それぞれの文化が相対的になり、主流がなくなってきた現代。
オリコン1位になろうとも、誰も知らないという状態。
サブカルチャーはどこいいくのか?それは全然わからなかった。
サブカルチャーとは逸脱であると宮沢氏はいう。カウンターカルチャー、対抗ではなく、逸脱。
逸脱がいつしかメインストリームになり、そしてまた逸脱が生まれて、次の流れが生まれてくる。
新宿から原宿へ、そして渋谷、秋葉原。次は町ではなく、電脳空間のようなどこでもない、どこでもある場所から生まれるのか。
いまや、逸脱しようにも、そもそも逸脱する本流がなくなっている時代。それぞれの文化が相対的になり、主流がなくなってきた現代。
オリコン1位になろうとも、誰も知らないという状態。
サブカルチャーはどこいいくのか?それは全然わからなかった。
2014年10月10日金曜日
NHKスペシャル|老人漂流社会"老後破産"の現実
NHKスペシャル|老人漂流社会"老後破産"の現実
恐ろしい。もう老い先短くなって不安しかない人生。不安の裏に希望はない。かといって、いま動ける人間は私もそうなるかもしれないと他人ごとではなく、構っている余裕もない。
ネガティブスパイラルが回り始め、リセット願望が増大するだろう。こうした中、また大声でその鬱積を晴らせる対象を叫びだす人がいれば、そこに便乗する人は増えるだろう。
戦争へと突き進むこともあるかもしれない。もしくは、世代間闘争のようになっていくのか。私たちは次の世代から復讐されるかもしれない。
いま、隣人を愛することしか思いつかない。追い込まれる前に、周囲の人間関係を豊かにするしか道はないのかと思う。制度で何とかなるとは到底思えない。
自分を捨てれば結果として自分が浮くのではないだろうか。
恐ろしい。もう老い先短くなって不安しかない人生。不安の裏に希望はない。かといって、いま動ける人間は私もそうなるかもしれないと他人ごとではなく、構っている余裕もない。
ネガティブスパイラルが回り始め、リセット願望が増大するだろう。こうした中、また大声でその鬱積を晴らせる対象を叫びだす人がいれば、そこに便乗する人は増えるだろう。
戦争へと突き進むこともあるかもしれない。もしくは、世代間闘争のようになっていくのか。私たちは次の世代から復讐されるかもしれない。
いま、隣人を愛することしか思いつかない。追い込まれる前に、周囲の人間関係を豊かにするしか道はないのかと思う。制度で何とかなるとは到底思えない。
自分を捨てれば結果として自分が浮くのではないだろうか。
2014年10月8日水曜日
クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)
若桑 みどり
集英社
売り上げランキング: 25,727
集英社
売り上げランキング: 25,727
Amazon.co.jpで詳細を見る
何となくしか理解していなかった、戦国時代のキリシタン大名のことなど、時代背景を丁寧に説明しているため、非常にためになった。資料を丹念に読み解き解説してくれている授業のようだ。ほんの運命のいたずらで、その後の歴史は大きく変わるのだろうと感じさせられた。
ローマ教皇に献上された安土城の屏風絵は見たかった。行方不明で恐らくは風化して壊れたのだろうとのこと。残念だ。
時間はかかるけど、じっくりと読みたい本。このような力作を日本語で拝読できることに感謝。著者はもう亡くなられているのが残念です。
日本においても世界においても、極めて特別な時代であったのだなと感じた。そして、その時代を生きている人々の息遣いが聞こえてくるような感じが伝わる。
下巻はこれから。絶頂と終わりが見えているだけに、読みたいような読みたくないような複雑な心境です。
何となくしか理解していなかった、戦国時代のキリシタン大名のことなど、時代背景を丁寧に説明しているため、非常にためになった。資料を丹念に読み解き解説してくれている授業のようだ。ほんの運命のいたずらで、その後の歴史は大きく変わるのだろうと感じさせられた。
ローマ教皇に献上された安土城の屏風絵は見たかった。行方不明で恐らくは風化して壊れたのだろうとのこと。残念だ。
時間はかかるけど、じっくりと読みたい本。このような力作を日本語で拝読できることに感謝。著者はもう亡くなられているのが残念です。
日本においても世界においても、極めて特別な時代であったのだなと感じた。そして、その時代を生きている人々の息遣いが聞こえてくるような感じが伝わる。
下巻はこれから。絶頂と終わりが見えているだけに、読みたいような読みたくないような複雑な心境です。
2014年10月7日火曜日
約束された場所で―underground 2 (文春文庫): 村上 春樹: 本
村上 春樹
文藝春秋
売り上げランキング: 128,578
文藝春秋
売り上げランキング: 128,578
Amazon.co.jpで詳細を見る
オウム真理教の信者の方々へのインタビュー集。最後の河合隼雄氏との対談が特に興味深かった。
善悪の定義は難しいという話は共感できる。悪を抱えて生きるという題名も示唆的だ。
異質なものを排除して純粋にしてしまうと、逆に危険になるという。これは私も今の社会は非寛容だと感じていて、だからこそ社会問題が起きるのだと感じていることと共感した。
また、直感が冴えてなんでもお見通し状態になることがあると河合氏もいう。きっと麻原もそういう状態にあったのだろう。だが、その状態を喜んでいるようではダメだと。それが危険で魔境なのだろう。驕り高ぶる危険を乗り越えるのは難しい。
あとがきで村上氏が、オウムという存在は、戦前の満州国の存在と似ているいう話が面白かった。同じ理想主義者の集まりで大義もあった。しかし、そこには「言葉と行為の同一性」が欠けていたという。
オウムに欠けていたのも、「広い世界観の欠如」とそこから派生する「言葉と行為の乖離」だという。
もし村上氏が林郁夫の友人だったらどんな言葉を語るべきだったかの言葉を紹介する。
自戒を込めてこの言葉も紹介する。
オウム真理教の信者の方々へのインタビュー集。最後の河合隼雄氏との対談が特に興味深かった。
善悪の定義は難しいという話は共感できる。悪を抱えて生きるという題名も示唆的だ。
異質なものを排除して純粋にしてしまうと、逆に危険になるという。これは私も今の社会は非寛容だと感じていて、だからこそ社会問題が起きるのだと感じていることと共感した。
「あれだけ純粋なものが内側にしっかり集まっていると、外側に殺してもいいようなものすごい悪いやつがいないと、うまくバランスが取れません。そうなると、外にうって出ないことには、中でものすごい喧嘩が起こって、内側から組織が崩壊するかもしれない」
「人間が頭でものを考えて、整合的で良いことを書き出したら、悪が入り込めないんです。そういう点で言うとね、『原罪』を始めから持っているなんていうのは、それはものすごいことを考えたものです。西欧人は『みんな原罪を持っている』とはっきり言うとおるわけですよね」
「面白いことに、あまり早く悟った人というのは、その悟りを他人のために役立てることができない場合が多いです。それに比べると、苦労して時間をかけて、『どうしてこんなに悟れへんのやろう。どうして自分だけあかんのやろう』と悩みながら悟った人の方が、他人の役に立つ場合が多いんです。煩悩世界を相当持っていて、なおかつ悟るからこそ意味があるんです」
また、直感が冴えてなんでもお見通し状態になることがあると河合氏もいう。きっと麻原もそういう状態にあったのだろう。だが、その状態を喜んでいるようではダメだと。それが危険で魔境なのだろう。驕り高ぶる危険を乗り越えるのは難しい。
あとがきで村上氏が、オウムという存在は、戦前の満州国の存在と似ているいう話が面白かった。同じ理想主義者の集まりで大義もあった。しかし、そこには「言葉と行為の同一性」が欠けていたという。
オウムに欠けていたのも、「広い世界観の欠如」とそこから派生する「言葉と行為の乖離」だという。
もし村上氏が林郁夫の友人だったらどんな言葉を語るべきだったかの言葉を紹介する。
「現実というのは、もともとが混乱や矛盾を含んで成立しているものであるのだし、混乱や矛盾を排除してしまえば、それはもはや現実ではないのです」
「そして一見整合的に見える言葉や論理に従って、うまく現実の一部を排除できたと思っても、その排除された現実は、必ずどこかで待ち伏せしてあなたに復讐することでしょう」
自戒を込めてこの言葉も紹介する。
いちばん空しいのは、「功利的な社会」に対してもっとも批判的であるべきはずの者が、言うなれば「論理の功利性」を武器にして、多くの人々を破滅させていったことなのかもしれない
2014年9月27日土曜日
「臨死体験」が教えてくれた宇宙の仕組み: 木内 鶴彦: 本
木内 鶴彦
晋遊舎
売り上げランキング: 262
晋遊舎
売り上げランキング: 262
Amazon.co.jpで詳細を見る
面白い本だった。一気に読めた。特に月の生成については、彼の説と同じような説を他でも読んだことあるが、きっとそうなのだろうと改めて感じさせられた。詳しくは読んでみてください。
一点気がかりなのは、唐突に著者自身の運命的な出会いをしたらしい女性の名前をわざわざあげて、今後の活動の話をされているところである。その方が素晴らしい方なら自然と知られるだろうに、なぜわざわざ表記したのかを考えると不自然さを感じる。
安岡正篤氏でさえ、晩年を女性の件で騒がせたほどである。岡本敏子さんのような感じが良いのではないかとお節介にも感じた。杞憂かもしれませんが。
HPを拝見したが、木内氏は先生と持ち上げられて、小さな世界に収まっているような感じがした。何か勿体ない。まったく余計なお世話で、ただの私のやっかみなのかも知れない。
個人気に気に入ったフレーズを最後に紹介する。
面白い本だった。一気に読めた。特に月の生成については、彼の説と同じような説を他でも読んだことあるが、きっとそうなのだろうと改めて感じさせられた。詳しくは読んでみてください。
一点気がかりなのは、唐突に著者自身の運命的な出会いをしたらしい女性の名前をわざわざあげて、今後の活動の話をされているところである。その方が素晴らしい方なら自然と知られるだろうに、なぜわざわざ表記したのかを考えると不自然さを感じる。
安岡正篤氏でさえ、晩年を女性の件で騒がせたほどである。岡本敏子さんのような感じが良いのではないかとお節介にも感じた。杞憂かもしれませんが。
HPを拝見したが、木内氏は先生と持ち上げられて、小さな世界に収まっているような感じがした。何か勿体ない。まったく余計なお世話で、ただの私のやっかみなのかも知れない。
個人気に気に入ったフレーズを最後に紹介する。
「雪や氷や水の形(=肉体)をしていた私たちは、死んで目に見えない水蒸気(=意識)になり、空間を満たす。死は意識が形を変えるだけのことですから、怖いことでもなんでもないというわけです」
アンダーグラウンド (講談社文庫): 村上 春樹: 本
村上 春樹
講談社
売り上げランキング: 26,993
講談社
売り上げランキング: 26,993
Amazon.co.jpで詳細を見る
地下鉄サリン事件のあの場所ではどんなことが起きていたのか?現場に遭遇した人々のインタビュー集である。被害者の人生を少しだけ追体験できた感じがする。最後に著者が紹介されていた、アメリカの作家ラッセル・バンクスの言葉が印象的だった。
村上氏はオウム真理教は社会の鏡ではないかというような話を書いていた。彼らの物語に対抗できる物語があるのだろうかと。
著者はいう。
現実や社会を肯定する物語が今こそ求められている。答えを来世に求めてはならないのだ。
地下鉄サリン事件のあの場所ではどんなことが起きていたのか?現場に遭遇した人々のインタビュー集である。被害者の人生を少しだけ追体験できた感じがする。最後に著者が紹介されていた、アメリカの作家ラッセル・バンクスの言葉が印象的だった。
「自我より大きな力を持ったもの、たとえば歴史、あるいは神、無意識といったものに身を委ねるとき、人はいともたやすく目の前の出来事の脈絡を失ってしまう。人生が物語としての流れを失ってしまうのだ」(黒原敏行訳) 「大陸漂流」より
村上氏はオウム真理教は社会の鏡ではないかというような話を書いていた。彼らの物語に対抗できる物語があるのだろうかと。
著者はいう。
「実際に戦っていたのは麻原彰晃ただ一人であり、多くの信者たちは闘いを欲する麻原彰晃の自我の中に呑み込まれ、それに同化していたのだ。そしてまた信者たちは一方的に麻原にマインド・コントロールされていたわけではない。純粋の受け身の被害者であったわけではない。彼ら自身、積極的に麻原にコントロールされることを求めていたのだ。マインド・コントロールとは求められるだけのものではないし、与えられるだけのものではない。それは『求められて、与えられる』相互的なものなのだ」現実に満足できない人々が増えている。彼らの求めるものを与えるものが出てきたとき、喜んで委ねて、気が付いたら一線を越えてしまうことが起きる恐れは変わっていない。
現実や社会を肯定する物語が今こそ求められている。答えを来世に求めてはならないのだ。
2014年9月26日金曜日
NHKスペシャル|巨大災害 MEGA DISASTER地球大変動の衝撃第4集 火山大噴火迫りくる地球規模の異変
NHKスペシャル|巨大災害 MEGA DISASTER地球大変動の衝撃第4集 火山大噴火迫りくる地球規模の異変
数ある災害の中でも一番恐ろしい災害が火山の噴火だ。ここ100年は穏やかな時期だったが、かつて起きたような噴火がまたいつ起きてもおかしくはない。
かつて起きたような最大規模の噴火が起きれば、地球は寒冷化し、火山の冬が続く。食糧生産にも影響し、人口は減らざるを得ないだろう。
水も汚れるし、短期的には大変な時代になる。短期的といっても人間からしたら長い時間だろう。やがて噴火の土砂は貴重なミネラルとなり土を潤し、植物に良い影響を与えるが、それは人間にしたら長い時間だ。
人間はせっかくの火山が噴火していない貴重な平和の時期を、世界大戦という戦争をして過ごしてきている。勿体ないことだ。逆に、噴火などが起きていたら戦争どころではなかっただろう。人は地球のほんの表層で生きている。謙虚さを忘れてはならない。
今日も噴火もなく地球が穏やかであることに感謝である。
数ある災害の中でも一番恐ろしい災害が火山の噴火だ。ここ100年は穏やかな時期だったが、かつて起きたような噴火がまたいつ起きてもおかしくはない。
かつて起きたような最大規模の噴火が起きれば、地球は寒冷化し、火山の冬が続く。食糧生産にも影響し、人口は減らざるを得ないだろう。
水も汚れるし、短期的には大変な時代になる。短期的といっても人間からしたら長い時間だろう。やがて噴火の土砂は貴重なミネラルとなり土を潤し、植物に良い影響を与えるが、それは人間にしたら長い時間だ。
人間はせっかくの火山が噴火していない貴重な平和の時期を、世界大戦という戦争をして過ごしてきている。勿体ないことだ。逆に、噴火などが起きていたら戦争どころではなかっただろう。人は地球のほんの表層で生きている。謙虚さを忘れてはならない。
今日も噴火もなく地球が穏やかであることに感謝である。
2014年9月25日木曜日
異文化との交渉力「高田屋嘉兵衛」 - 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)NHK
異文化との交渉力「高田屋嘉兵衛」 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)
函館の街を作った高田屋嘉兵衛。函館の街には何度か訪れていたが、全然知らなかった。もっと町を挙げて取り上げるべき人物ではなかろうか。
飢饉対策に、浜辺の石を拾うという仕事を作った嘉兵衛。施しはしないという方針だったからだという。これはいい。ただ上げるのでは、その人の自尊心も傷つくだろう。
お金を渡す際にも工夫が必要なのだ!
囚われの身になっても、公のためにと、まず目の前の人間を大事にして、その積み重ねでロシアとの問題を解決に導いた。大きな志と目の前の問題に取り組むことの大事さを再確認させられた。
ロシア人将校と常に一緒にいることを提案し、それを受けてくれた将校。そこには信頼があったから実現できたことだ。それはそのロシア人将校が、
「自分は戦争で手柄を立てていないから出世が遅い」という悩みに対して、
「自分が出世をしたいなら部下を大事にすることだ」という嘉兵衛の答えに感動したからだという。
このような素晴らしい人格者であった嘉兵衛。
しかし、その後大きくなった高田屋は迫害を受ける。
彼らがそのまま交易をしていれば、ロシアとの紛争は避けられたかもしれないと夢をみる。
どんな国の人間であろうと、同じ人間なのだから、誠意をもってあたれば解決できないことはないと教えてくれる。
いま、日本は周囲の国と軋轢がある。これは私たち自身の内面に、傲慢さがあり誠意を忘れているからではなかろうか。
函館の街を作った高田屋嘉兵衛。函館の街には何度か訪れていたが、全然知らなかった。もっと町を挙げて取り上げるべき人物ではなかろうか。
飢饉対策に、浜辺の石を拾うという仕事を作った嘉兵衛。施しはしないという方針だったからだという。これはいい。ただ上げるのでは、その人の自尊心も傷つくだろう。
お金を渡す際にも工夫が必要なのだ!
囚われの身になっても、公のためにと、まず目の前の人間を大事にして、その積み重ねでロシアとの問題を解決に導いた。大きな志と目の前の問題に取り組むことの大事さを再確認させられた。
ロシア人将校と常に一緒にいることを提案し、それを受けてくれた将校。そこには信頼があったから実現できたことだ。それはそのロシア人将校が、
「自分は戦争で手柄を立てていないから出世が遅い」という悩みに対して、
「自分が出世をしたいなら部下を大事にすることだ」という嘉兵衛の答えに感動したからだという。
このような素晴らしい人格者であった嘉兵衛。
しかし、その後大きくなった高田屋は迫害を受ける。
彼らがそのまま交易をしていれば、ロシアとの紛争は避けられたかもしれないと夢をみる。
どんな国の人間であろうと、同じ人間なのだから、誠意をもってあたれば解決できないことはないと教えてくれる。
いま、日本は周囲の国と軋轢がある。これは私たち自身の内面に、傲慢さがあり誠意を忘れているからではなかろうか。
2014年9月24日水曜日
ニュースが伝えない「香港」異変! ~中国返還から17年 今何が起きているのか~ 未来世紀ジパング ~沸騰現場の経済学~|テレビ東京
ニュースが伝えない「香港」異変! ~中国返還から17年 今何が起きているのか~
豊かな香港。それは自由であるからともいえる。その香港の住民たちは経済と政治の兼ね合いを探っているように見える。
政府はコントロールしたい。住民はコントロールされたくない。豊かになれば人はより自由を求める。
葛藤の中でその摩擦を昇華できるのか?恐らく、他の新たな地域へと富は逃げていく。歴史はそういう繰り返しだ。香港のピークはもう過ぎたように感じた。
そうはいっても、腐っても鯛だ。ほっておいていいはずはない。付き合い方も慎重になる。
時代の変わり目は腰を軽くしておかないと身動き取れなくなりますな。
豊かな香港。それは自由であるからともいえる。その香港の住民たちは経済と政治の兼ね合いを探っているように見える。
政府はコントロールしたい。住民はコントロールされたくない。豊かになれば人はより自由を求める。
葛藤の中でその摩擦を昇華できるのか?恐らく、他の新たな地域へと富は逃げていく。歴史はそういう繰り返しだ。香港のピークはもう過ぎたように感じた。
そうはいっても、腐っても鯛だ。ほっておいていいはずはない。付き合い方も慎重になる。
時代の変わり目は腰を軽くしておかないと身動き取れなくなりますな。
2014年9月23日火曜日
NHKスペシャル|巨大災害 MEGA DISASTER地球大変動の衝撃第3集 巨大地震見えてきた脅威のメカニズム
NHKスペシャル|巨大災害 MEGA DISASTER地球大変動の衝撃第3集 巨大地震見えてきた脅威のメカニズム
南海トラフとナスカプレートは他のプレートと比べて、沈み込む角度が10度と浅いため、より巨大地震が発生しやすくなっているという。
海底にある山がそのまま沈み込むことで、凹凸が生まれ、余計にひずみがたまりやすくなり、巨大地震となりやすいと。
そして、土砂崩れと同じで、水が潤滑油の働きをして、地震の引き金を引くのだという。
メカニズムが分かったからといって、地震が防げるものではないが、それはいつか確実に起こるのだと教えてくれる。やはり今一番気になるのは、南海トラフが起こす地震。もう70年も起きていないという。
地震は起こるものなので、それを当然としたライフスタイルに適応していくのが妥当だろう。電柱やガスなどのライフラインのあり方が大事かと。
日々研究してくれている方々に感謝です。
南海トラフとナスカプレートは他のプレートと比べて、沈み込む角度が10度と浅いため、より巨大地震が発生しやすくなっているという。
海底にある山がそのまま沈み込むことで、凹凸が生まれ、余計にひずみがたまりやすくなり、巨大地震となりやすいと。
そして、土砂崩れと同じで、水が潤滑油の働きをして、地震の引き金を引くのだという。
メカニズムが分かったからといって、地震が防げるものではないが、それはいつか確実に起こるのだと教えてくれる。やはり今一番気になるのは、南海トラフが起こす地震。もう70年も起きていないという。
地震は起こるものなので、それを当然としたライフスタイルに適応していくのが妥当だろう。電柱やガスなどのライフラインのあり方が大事かと。
日々研究してくれている方々に感謝です。
2014年9月22日月曜日
映画『LUCY/ルーシー』
薬で脳が覚醒するという話は、リミットレスという映画でもあった。
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2012-03-07)
売り上げランキング: 57,507
売り上げランキング: 57,507
Amazon.co.jpで詳細を見る
今回のルーシーは覚醒の範囲がより拡大しSF度合いが深い。いわば神になるようなものだ。こうした映画が出てくる背景には何があるかと考えてみた。
人が変身願望や、完全なるものへの憧れ、神との合一を願うのは古来より持っている傾向だ。金も時間も権力も権威もあったとしたら、何を人は望むか?
人を超えることを、人を進化させることを望むのだろう。完全なる世界の把握。少なくとも、脳はまだまだ未知なる可能性を秘めている。その秘密の一端を薬で開こうという発想は合理的だ。LSDやアヤワスカといった幻覚剤によって、世界との一体感や神秘的な体験を経たものは、それを一時的にではなく恒常的に体験できることを望むのだろう。
現実はフィクションより先に行っている。こうした研究をしていないわけがない。少なくとも、ドーピングや肉体の力を引き出すのだから、精神の力も薬で引き出せると思う方が自然だ。
オウムは世界が驚くサリンを作り出せた。破壊の方向にその熱意を向ける団体ではなく、人の進化を目指して研究する組織があってもおかしくない。少なくてもアメリカのような国家は研究するに違いない。
しかし、合理的では神秘の領域には辿り着けない。非合理の世界に進化の秘密は隠されているように見える。
人は確かに文明を作ってきた。しかし、その人間的本性はいまだに戦争をしているように、まったく進化はしていない。道具が高度になっただけで、人の本性は何も変わっていない。科学技術の発展とのアンバランス、大いなる矛盾は人間社会に満ちている。
ハリウッドは世界中から資金や人材が集まる場で、そこから啓蒙的な映画も出れば、とてつもなく下品な映画も出てくる。アメリカは世界中から人材も集まり、そのエリートたちで運営されているはずの政府機関も愚かしいまでの戦争を繰り返す。
オウム真理教も、サリンという普通には作れない物質を作り出せるにも関わらず、傘でさして拡散させようとする原始的な手法を取る可笑しさ。頓珍漢なのが人類の特徴ではないかとすら感じさせる。
ルーシーの映画に出てくるのも、知識人とその反対である野蛮人の集団の暴力団。そして、暴力団の薬のおかげで、ルーシーは覚醒する。その薬はどこから来たのか、それは一切明らかにされない。
その薬を作れるだけの設備と人材を持った組織が、暴力団を使って実験しようとしているのかと夢想してしまう。
いずれにしても、すでに多くの体験を経て、すべての欲求を満たした人が最終的に興味を持つものは、神との合一、もしくは自らが神となることではないかと、映画を見ていて感じたのである。
そして、その実験は恐らくどこかですでにされているのだろう。
今回のルーシーは覚醒の範囲がより拡大しSF度合いが深い。いわば神になるようなものだ。こうした映画が出てくる背景には何があるかと考えてみた。
人が変身願望や、完全なるものへの憧れ、神との合一を願うのは古来より持っている傾向だ。金も時間も権力も権威もあったとしたら、何を人は望むか?
人を超えることを、人を進化させることを望むのだろう。完全なる世界の把握。少なくとも、脳はまだまだ未知なる可能性を秘めている。その秘密の一端を薬で開こうという発想は合理的だ。LSDやアヤワスカといった幻覚剤によって、世界との一体感や神秘的な体験を経たものは、それを一時的にではなく恒常的に体験できることを望むのだろう。
現実はフィクションより先に行っている。こうした研究をしていないわけがない。少なくとも、ドーピングや肉体の力を引き出すのだから、精神の力も薬で引き出せると思う方が自然だ。
オウムは世界が驚くサリンを作り出せた。破壊の方向にその熱意を向ける団体ではなく、人の進化を目指して研究する組織があってもおかしくない。少なくてもアメリカのような国家は研究するに違いない。
しかし、合理的では神秘の領域には辿り着けない。非合理の世界に進化の秘密は隠されているように見える。
人は確かに文明を作ってきた。しかし、その人間的本性はいまだに戦争をしているように、まったく進化はしていない。道具が高度になっただけで、人の本性は何も変わっていない。科学技術の発展とのアンバランス、大いなる矛盾は人間社会に満ちている。
ハリウッドは世界中から資金や人材が集まる場で、そこから啓蒙的な映画も出れば、とてつもなく下品な映画も出てくる。アメリカは世界中から人材も集まり、そのエリートたちで運営されているはずの政府機関も愚かしいまでの戦争を繰り返す。
オウム真理教も、サリンという普通には作れない物質を作り出せるにも関わらず、傘でさして拡散させようとする原始的な手法を取る可笑しさ。頓珍漢なのが人類の特徴ではないかとすら感じさせる。
ルーシーの映画に出てくるのも、知識人とその反対である野蛮人の集団の暴力団。そして、暴力団の薬のおかげで、ルーシーは覚醒する。その薬はどこから来たのか、それは一切明らかにされない。
その薬を作れるだけの設備と人材を持った組織が、暴力団を使って実験しようとしているのかと夢想してしまう。
いずれにしても、すでに多くの体験を経て、すべての欲求を満たした人が最終的に興味を持つものは、神との合一、もしくは自らが神となることではないかと、映画を見ていて感じたのである。
そして、その実験は恐らくどこかですでにされているのだろう。
2014年9月21日日曜日
セカイの変容〜岡崎京子・エヴァンゲリオン・ゲーム〜 90年代(1)NHK|ニッポン戦後サブカルチャー史
セカイの変容〜岡崎京子・エヴァンゲリオン・ゲーム〜 90年代(1)
サブカルチャーからサブカルへ。
それは外向きから内向きへと向かう流れではないか。サブカルチャーは外への表現。サブカルは内への表現。
95年という年に、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、エヴァンゲリオンがある。
平田オリザ氏の、「あーそうなんですか」が時代を象徴している。共感できない世代。
サリン事件後、危険なものはどんどん蓋をされて、生きる実感を見いだせない。岡崎京子のリバースエッジでは死体を見ることで生きてる実感を感じる話だった。
そんな時代の閉塞感に風穴をあけたくて作ったのが、「完全自殺マニュアル」だと著者はいう。
いったい何のために生きるのか?答えが見つからない日々。世界が終ることよりも、そうした変わらない日常に恐怖を感じる。と岡崎京子はいう。
その後どうなっていくのか?次回が楽しみである。
サブカルチャーからサブカルへ。
それは外向きから内向きへと向かう流れではないか。サブカルチャーは外への表現。サブカルは内への表現。
95年という年に、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、エヴァンゲリオンがある。
平田オリザ氏の、「あーそうなんですか」が時代を象徴している。共感できない世代。
サリン事件後、危険なものはどんどん蓋をされて、生きる実感を見いだせない。岡崎京子のリバースエッジでは死体を見ることで生きてる実感を感じる話だった。
そんな時代の閉塞感に風穴をあけたくて作ったのが、「完全自殺マニュアル」だと著者はいう。
いったい何のために生きるのか?答えが見つからない日々。世界が終ることよりも、そうした変わらない日常に恐怖を感じる。と岡崎京子はいう。
その後どうなっていくのか?次回が楽しみである。
2014年9月20日土曜日
先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) ビジネスチャンスつかむには?高田屋嘉兵衛 - NHK
先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) ビジネスチャンスつかむには?高田屋嘉兵衛 - NHK
今はあまり知られていない、高田屋嘉兵衛。村のマドンナを射止めたことから周囲の嫉妬を招き、村を出ることになったという。面白い見方だ。人間関係で、ご縁ができ、離れていく。人の縁は誠に奇妙。
その縁を活かさなければ何もならない。与えられた持ち場で最善を尽くしたから発展がある。
オリックスの宮内さんが、ビジネスのコツとして、
「時代を読み、自分を磨くこと」としていた。自分を磨かなれば始まらない。
宮内さんの言葉で、飛び地でなくて隣に進出するという話が印象深い。いまやっている仕事の隣の様子は半分くらいは見えると。だからリスクは読める。読めないリスクは危険なリスク。飛び地だとリスクを予想できないので危ないと。
自分の領域を少しづつ広げてきた実践からくる言葉だった。
今はあまり知られていない、高田屋嘉兵衛。村のマドンナを射止めたことから周囲の嫉妬を招き、村を出ることになったという。面白い見方だ。人間関係で、ご縁ができ、離れていく。人の縁は誠に奇妙。
その縁を活かさなければ何もならない。与えられた持ち場で最善を尽くしたから発展がある。
オリックスの宮内さんが、ビジネスのコツとして、
「時代を読み、自分を磨くこと」としていた。自分を磨かなれば始まらない。
宮内さんの言葉で、飛び地でなくて隣に進出するという話が印象深い。いまやっている仕事の隣の様子は半分くらいは見えると。だからリスクは読める。読めないリスクは危険なリスク。飛び地だとリスクを予想できないので危ないと。
自分の領域を少しづつ広げてきた実践からくる言葉だった。
2014年9月18日木曜日
過酷な現場を"ラク"にする!驚きの最新技術 ガイアの夜明け : テレビ東京
過酷な現場を"ラク"にする!驚きの最新技術
人の働きを楽にする、パワードスーツが現実になってきているとは。少子高齢化のおかげともいえますね。つらい作業を楽にする。需要がたくさんありそうです。
未来の世界を感じさせる技術です。
一見、ローテクの扇風機付の空調服。地味だけど需要は高そう。酷暑での作業には必需品。25万個販売したそうですから、大体40億近いヒット商品ですね。まだまだ伸びそう。中東に進出してほしいですね。
こういう人を助ける商材はいいですね。売っている方も気持ちよく売れる。
働くとは傍を楽にするとはよく言ったものです。
人の働きを楽にする、パワードスーツが現実になってきているとは。少子高齢化のおかげともいえますね。つらい作業を楽にする。需要がたくさんありそうです。
未来の世界を感じさせる技術です。
一見、ローテクの扇風機付の空調服。地味だけど需要は高そう。酷暑での作業には必需品。25万個販売したそうですから、大体40億近いヒット商品ですね。まだまだ伸びそう。中東に進出してほしいですね。
こういう人を助ける商材はいいですね。売っている方も気持ちよく売れる。
働くとは傍を楽にするとはよく言ったものです。
2014年9月17日水曜日
"世界一裕福な国"カタール~知られざる日本との絆 未来世紀ジパング ~沸騰現場の経済学~|テレビ東京
"世界一裕福な国"カタール~知られざる日本との絆
未来世紀ジパング ~沸騰現場の経済学~|テレビ東京
世界一裕福とともに、実は世界一退屈な国と呼ばれているカタール。私も行ったことありますが、観光する場所があまりないんですね。2日で充分となってしまう。
カタールの中でも金持ち層は実際カタールには住んでないで、彼らが住んでるのはロンドンとか、しょっちゅうお買い物ツアーをしていると聞きました。
ジャネットジャクソンもカタール人(カターリー)と結婚しています。ここ十数年で急激な金持ちになったために、まだまだ趣向が子供のようなお金の使い方をしていると聞きます。
かっては、真珠の国でした。それがミキモトの真珠養殖技術によって、真珠産業は壊滅したのでした。が、今も人工島はパールと名付けたりして、その歴史の名残を残しています。
もう少し突っ込んだ内容がほしかったですね。
2014年9月16日火曜日
NHKスペシャル|臨死体験立花隆 思索ドキュメント死ぬとき心はどうなるのか
死んだら私たちはどうなるのか?誰しも答えを知りたい問題だろう。答えがないから面白いと立花氏も語っていたが、最新の意識研究では、意識は蜘蛛の巣のように複雑なつながりから生まれるという仮説が唱えられているという。そういう発想は、地球ガイア説でも唱えられていたことを思い出す。
臨死体験は幻視なのか、はたまた脳からの何らかのホルモンによる作用なのか、それはそうかもしれないし、それだけではないかもしれないと思う。表があれば裏があるように、そうした作用があることはあっても、それだけですべては解決しないように感じる。
心安らかに死を迎えるために、立花氏は今回の取材をしたのだろう。死が怖いものではないと感じたと。納棺夫日記の作者がこう書いていた。
NHKスペシャル|臨死体験立花隆 思索ドキュメント死ぬとき心はどうなるのか
: 『私』という存在は死んだらどうなるのか、死ぬとき『私』は何を見るのだろうか――。 20年余り前、臨死体験について徹底的に取材し考察を深めてきたジャーナリスト/評論家立花隆さん。74歳を迎え、がんや心臓の病を抱えて死を間近に感じる今、再び臨死体験の最新研究の現場を見つめ、“死”について思索しようとしている。死の間際に一定の人が見る臨死体験。臨死体験が世界で注目され始めた1980年代以来、その解釈としては、脳内現象として科学で説明できるとする「脳内現象説」と、肉体が死んでも“魂(もしくは自我を感じる「意識」)”が存在し続けるという「魂存在説」―――これら二つの説が互いに相容れない、激しい議論が続いてきた。そうした中、立花さんは新たな臨死体験の掘り起こしをすると同時に、そもそも「意識(魂)」と呼ばれているものの正体とは何なのか、最新の脳科学・心理学・哲学にいたるまで、徹底した取材に基づいて正面から挑もうとしている。科学的に見て、死後の世界があると言える余地はどれくらいあるのか。死後の世界がないとしたら、『私(自分)』という意識(魂)はどう生まれどう消えていくのか。私たちが当たり前と思っている『私』という存在はいったい何なのか。有史以来、人類が答えを追い求め続けてきた生と死にまつわる壮大な謎―――その謎に挑む立花さんの思索の旅を通じて、大震災や紛争などで多くの命が失われる今、命や『私』の存在する意味を考える。
臨死体験は幻視なのか、はたまた脳からの何らかのホルモンによる作用なのか、それはそうかもしれないし、それだけではないかもしれないと思う。表があれば裏があるように、そうした作用があることはあっても、それだけですべては解決しないように感じる。
心安らかに死を迎えるために、立花氏は今回の取材をしたのだろう。死が怖いものではないと感じたと。納棺夫日記の作者がこう書いていた。
「死の真実は死の現場にしかない」と生死の現場から書いたのが「納棺夫日記」であった。そのことをいくら叫んでも伝わらないから、これでもかと繰り返し書いたのが「それからの納棺夫日記」であった。だがしかし、やはり実際臨終に立ち会ったことのない人たちにはわかってもらえなかった。死の間際になったものでないとその心境はわからない。死を恐れるのは死を知らないから。死を看取ることで、自然と死を恐れなくなるのだろう。頭で理解しても限界があると感じる。
NHKスペシャル|臨死体験立花隆 思索ドキュメント死ぬとき心はどうなるのか
: 『私』という存在は死んだらどうなるのか、死ぬとき『私』は何を見るのだろうか――。 20年余り前、臨死体験について徹底的に取材し考察を深めてきたジャーナリスト/評論家立花隆さん。74歳を迎え、がんや心臓の病を抱えて死を間近に感じる今、再び臨死体験の最新研究の現場を見つめ、“死”について思索しようとしている。死の間際に一定の人が見る臨死体験。臨死体験が世界で注目され始めた1980年代以来、その解釈としては、脳内現象として科学で説明できるとする「脳内現象説」と、肉体が死んでも“魂(もしくは自我を感じる「意識」)”が存在し続けるという「魂存在説」―――これら二つの説が互いに相容れない、激しい議論が続いてきた。そうした中、立花さんは新たな臨死体験の掘り起こしをすると同時に、そもそも「意識(魂)」と呼ばれているものの正体とは何なのか、最新の脳科学・心理学・哲学にいたるまで、徹底した取材に基づいて正面から挑もうとしている。科学的に見て、死後の世界があると言える余地はどれくらいあるのか。死後の世界がないとしたら、『私(自分)』という意識(魂)はどう生まれどう消えていくのか。私たちが当たり前と思っている『私』という存在はいったい何なのか。有史以来、人類が答えを追い求め続けてきた生と死にまつわる壮大な謎―――その謎に挑む立花さんの思索の旅を通じて、大震災や紛争などで多くの命が失われる今、命や『私』の存在する意味を考える。
2014年9月15日月曜日
こころの時代~宗教・人生~「自分を知る」 - NHK
こころの時代~宗教・人生~「自分を知る」 - NHK
何とも書くのが難しい話題。ありのままを感じるという話。人は後からそれに意味づけしてしまう。
「雪ほど黒いものはない」という言葉を老師は話されていたという。
耳も目も、ありのままにとらえる。意味づけするのは自分。この言葉を聞いて、または見て、おかしいと思ったり、理由を考えてしまうのは後からの自我。
そこにとらわれない。ということだと理解した。
縁に任せて生きようと感じた。人の小さな頭で考えることは大したことない。最大の悩みでもある死でさえ、自分ではわからないのだ。他人が見て死んだとわかる。本人はいつ死んだかわからない。そしてそれは、生まれた時と同じである。いつの間にか生まれてきた。
だとしたら、すべてご縁にお任せしてみよう。
何とも書くのが難しい話題。ありのままを感じるという話。人は後からそれに意味づけしてしまう。
「雪ほど黒いものはない」という言葉を老師は話されていたという。
耳も目も、ありのままにとらえる。意味づけするのは自分。この言葉を聞いて、または見て、おかしいと思ったり、理由を考えてしまうのは後からの自我。
そこにとらわれない。ということだと理解した。
縁に任せて生きようと感じた。人の小さな頭で考えることは大したことない。最大の悩みでもある死でさえ、自分ではわからないのだ。他人が見て死んだとわかる。本人はいつ死んだかわからない。そしてそれは、生まれた時と同じである。いつの間にか生まれてきた。
だとしたら、すべてご縁にお任せしてみよう。
2014年9月14日日曜日
仕事に効く 教養としての「世界史」: 出口 治明: 本
出口 治明
祥伝社
売り上げランキング: 2,317
祥伝社
売り上げランキング: 2,317
Amazon.co.jpで詳細を見る
話題つくりの上手な企業の社長さんが書いた、大したことない歴史解説本かなと敬遠していたが、機会があって試しに読んでみたところ、なかなか面白い。
出口史観ともいうべき歴史観が語られている。こうした話ができる相手と仕事がしてみたいと思うが、恐らくそれは「仕事に効く」などということに惹かれる人材では間違いなくない。
今のビジネスマンには見識が求められていない。そんなことより、安いのか、合理的なのかが余程問われるだろう。功利主義の結果どうなるか?歴史は教えてくれる。
そして、それは何度も繰り返されていることも。人はなかなか変わらない。ほんの些細な出来事や幸運の連続で運命は変わっていく。私たちが歴史を知って、何かしら影響を与えられることはないかもしれない。しかしながら、だから面白いのだ。
自分なりの歴史観を持てれば、人生をより俯瞰してとらえられる。
歴史の楽しさを思い出させてくれる良書である。一読をお勧めする。
話題つくりの上手な企業の社長さんが書いた、大したことない歴史解説本かなと敬遠していたが、機会があって試しに読んでみたところ、なかなか面白い。
出口史観ともいうべき歴史観が語られている。こうした話ができる相手と仕事がしてみたいと思うが、恐らくそれは「仕事に効く」などということに惹かれる人材では間違いなくない。
今のビジネスマンには見識が求められていない。そんなことより、安いのか、合理的なのかが余程問われるだろう。功利主義の結果どうなるか?歴史は教えてくれる。
そして、それは何度も繰り返されていることも。人はなかなか変わらない。ほんの些細な出来事や幸運の連続で運命は変わっていく。私たちが歴史を知って、何かしら影響を与えられることはないかもしれない。しかしながら、だから面白いのだ。
自分なりの歴史観を持てれば、人生をより俯瞰してとらえられる。
歴史の楽しさを思い出させてくれる良書である。一読をお勧めする。
2014年9月13日土曜日
先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)人がほれ込むリーダーとは▽本田宗一郎・後編 - NHK
先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)人がほれ込むリーダーとは▽本田宗一郎・後編 - NHK
・確率の話
・休日出勤の話
■その3
・エンジニアの話
それから彼はそうした発言を一切しなくなり、排ガス規制に適応したエンジンを本田が初めて出した翌年に社長を引退した。
その時、
「排ガス規制の件で若手に教えられた。社会のためではなく、いつの間にか会社本位になっている自分に気が付いた」と。
■その一
私心で怒るな
・デザイナーの話
・デザイナーの話
車のデザインをしていた担当者が、ある日電話で宗一郎に鈴鹿まで呼びつけられる。何事かと急いで駆け付けると、本田宗一郎の第一声は、
「君は人を殺す気か」と叱られる。
デザインにより、ハンダ付けの削りかすが多く出ることで、工員の健康被害になることを心配してのことだった。そこで、自分の仕事が、人の命に関わる責任ある仕事だと教えられたと。その後、ゴムを挟むやり方でハンダ付けの仕事は減り、かえってその解決方法は他社が真似するほどだった。
・確率の話
一万分の一の確率で起こる不具合に懸命になる宗一郎に対し、そこまで必死になるほどの確率ではという社員に、
「そのお客様にとっては100パーセントだ」と怒鳴る。
私心でない気持ちでの叱りであることと、叱られることで奮起して、より高いレベルへといけることがあり、人は彼をオヤジと呼んだ。
■その2
人の心に棲む
人の心に棲むことによって人もこう思うだろう
そうすればこういうものを作れば喜んでくれる
全て人間が優先している
喜びの経営を標榜していた。
・休日出勤の話
秘書が、土曜の仕事を本田宗一郎にお願いしに行った。宗一郎はやることもあるし、忙しいからと断る。しかし奥さんが実は、本田は土曜は暇しているが、自分が仕事を受けてしまえば、君たちが休めなくなるから断るのだと教えられた。
・心の修理話
・心の修理話
19歳のころの本田宗一郎。修理工場時代での話。壊れて修理を頼んでくる人は、その時点で心も壊れているんだと。その心までも修理しないといけないと語っていたという。
・絵の話
絵が上手であった宗一郎。彼は渋柿の絵を書いた。その理由は、渋柿も美味しく生まれたかった牢に、かわいそうというものであった。
■その3
素直に負けを認めろ
・エンジニアの話
ある仕組みで宗一郎は自分のアイデアを得意げに話していた。社員がもっといいアイデアがあるのをおもいつき、それを伝えると。
「お前は天才だな、おれのはだめだ」とすぐに素直に認めた。
「お前は天才だな、おれのはだめだ」とすぐに素直に認めた。
・引退秘話
アメリカで排ガス規制が行われることになり、それはどのメーカーでも実現不可能といわれていた。その時宗一郎は、
「どのメーカーとも対等に競争できるチャンスである」と発言した。
しかし、若手のエンジニアは、競争のためにやるんではない。社会のためになるからこそやるんだと憤りを感じ、宗一郎の側近に愚痴った。
アメリカで排ガス規制が行われることになり、それはどのメーカーでも実現不可能といわれていた。その時宗一郎は、
「どのメーカーとも対等に競争できるチャンスである」と発言した。
しかし、若手のエンジニアは、競争のためにやるんではない。社会のためになるからこそやるんだと憤りを感じ、宗一郎の側近に愚痴った。
それから彼はそうした発言を一切しなくなり、排ガス規制に適応したエンジンを本田が初めて出した翌年に社長を引退した。
その時、
「排ガス規制の件で若手に教えられた。社会のためではなく、いつの間にか会社本位になっている自分に気が付いた」と。
潔く退任した。
引き際の良さが更に本田宗一郎の名声を高めた。
引き際の良さが更に本田宗一郎の名声を高めた。
2014年9月12日金曜日
資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書): 水野 和夫: 本
水野 和夫
集英社 (2014-03-14)
売り上げランキング: 263
集英社 (2014-03-14)
売り上げランキング: 263
Amazon.co.jpで詳細を見る
私たちは歴史の転換期に生きている。それも大きな変化のときだ。私たちの社会を形作っている思想が問われている。資本主義についてもう一度この本で考えてみることをお勧めする。歴史を俯瞰してみるとき、現代と相似した時代があったことを教えてくれる。
衰退してから長続きした国もある。個人的には、元禄文化のように、経済成長よりも文化の華を咲かせる方向に、日本が輝き続ける道があると思う。
かつての幸運な高度成長という幻想を捨てて、ベネチア共和国のように豊かに衰退していくのも一つの道ではないか。
最後に著者の言葉を紹介して終わりにします。ぜひ一読をお勧めする。
私たちは歴史の転換期に生きている。それも大きな変化のときだ。私たちの社会を形作っている思想が問われている。資本主義についてもう一度この本で考えてみることをお勧めする。歴史を俯瞰してみるとき、現代と相似した時代があったことを教えてくれる。
衰退してから長続きした国もある。個人的には、元禄文化のように、経済成長よりも文化の華を咲かせる方向に、日本が輝き続ける道があると思う。
かつての幸運な高度成長という幻想を捨てて、ベネチア共和国のように豊かに衰退していくのも一つの道ではないか。
最後に著者の言葉を紹介して終わりにします。ぜひ一読をお勧めする。
「より速く、より遠くへ、より合理的に」という近代資本主義を駆動させてきた理念もまた逆回転させ、「よりゆっくり、より近くへ、より曖昧に」と転じなければなりません。
2014年9月11日木曜日
NHKスペシャル|新宿"人情"保健室~老いの日々によりそって~
NHKスペシャル|新宿"人情"保健室~老いの日々によりそって~
視聴後の感想は菩薩のような方がいるんだなと。
痴呆症が進んだ方や、病気で余命一年といわれて腐っている人相手に励ましたり、根気強くサポートしたりと、世の中には心ある方がいるんだな。
そして、これから高齢化社会を迎える中で、菩薩のような方は減るだろうから、虐待や事件が多発するのではないかと想像する。
人情より経済を優先してきた結果のツケがやってくるに違いない。
未曾有の人災ともいうべき事態が迫っているように感じた。
早く死んだほうが幸せという世の中になりかねない。目の前の人間を大事にしていくしかない。
視聴後の感想は菩薩のような方がいるんだなと。
痴呆症が進んだ方や、病気で余命一年といわれて腐っている人相手に励ましたり、根気強くサポートしたりと、世の中には心ある方がいるんだな。
そして、これから高齢化社会を迎える中で、菩薩のような方は減るだろうから、虐待や事件が多発するのではないかと想像する。
人情より経済を優先してきた結果のツケがやってくるに違いない。
未曾有の人災ともいうべき事態が迫っているように感じた。
早く死んだほうが幸せという世の中になりかねない。目の前の人間を大事にしていくしかない。
登録:
投稿 (Atom)